山田稔明『新しい青の時代』限定アナログ盤

活動報告

レコードのある風景1

2018-04-07

このクラウドファンディングが始まって1週間が経とうとしています。今朝の時点で88%の達成率、毎日その数字が上がっていくのをワクワクしながら眺めています。注文してくれた皆さんのなかでどのくらいの方がレコードプレイヤーを持っているのでしょう。『新しい青の時代』がきっかけでアナログレコードを楽しむようになる人がいるならそれはまた嬉しい縁だなと思います。今日から不定期で自分とレコードについてのあれこれについて書き綴っていきたいと思います。

生まれて初めて買ってもらったレコードはイモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」だった、というとプッと笑われることが多いのですが、この曲は松本隆作詞・細野晴臣作曲なのですね。シングルレコード、いわゆるドーナツ盤。こないだ杉真理さんの誕生会で、なんと長江健次さんとお会いしてお話する機会がありました。イモ欽トリオのフツオの長江健次さん、最近は伊藤銀次さんなんかとバンドをやったりしている音楽好きなのです。緊張しながら「僕が初めて買ったレコードが…」と打ち明けると、目を細めて「ミュージシャンの人によく言われるねん」と握手してくださった。1981年小学2年生だった僕は30余年経ってフツオとお酒を酌み交わすことになるとは思いもしなかったでしょう。自分のお小遣いを工面して買ったレコードで記憶に残っているのは長渕剛とかTUBEの「Because I Love You」、KUWATA BANDとか。当時はレンタルレコードもたくさん借りていました。僕は中学2年生のときに初めてCDを買うことになります。HOOTERSというアメリカのバンドの『ONE WAY HOME』というアルバムでしたが、これはもう今でも聴くし、アレンジの参考にする作品。自分の好きなものっていうのは実は根幹はそんなに変化しないのかもしれません。

レコードを集めるようになったのは1990年代中盤、大学を卒業したころからでした。<渋谷系>ムーブメント全盛の季節。僕は就職した会社(映像制作の会社でした)が渋谷にあったのですが、お昼休みの1時間に毎日タワーレコード、HMV、WAVEとレコード屋を駆け回り、試聴し、レコードを眺め、購入したものです。給料の半分はレコードに費やしていたんじゃないかな。いい時代でした。安物のレコードプレイヤーをミニコンポに繋いだポンコツセットでしたが、無限の楽しみがそこにはありました。お金がないときもレコード店頭で100円で投げ売りされる「エサ箱」と称される段ボールのなかから時代の徒花や消費され尽くした音楽を拾い上げ再発見する日々が楽しかった。

時が経って2000年代の後半、レコード会社も事務所もなくなって、いよいよ生活に困った僕は「もう、レコードなんて時代遅れなんじゃないか?」と自分を納得させて、所有していたレコードを全部売ったのです。フィッシュマンズも小沢健二も、ほとんど全部。その下取り金額は僕を数ヶ月生きながらえさせることができるような金額でした。身軽にはなったものの、自分の体の一部がなくなってしまったような感覚もあった。自分にとってのミュージックライフのなかで、この時期が底辺だったなあ…と改めて思います。遠い目になりながら…。(続く)

レコードのある風景1