今年度の大会は当初大宮ソニックシティ大ホールで9月に開催する予定でした。しかしながら新型コロナウイルス感染拡大防止のため、学生の課外活動が制限され、参加する学生をはじめ、お客さまやスタッフの安全を考慮した結果、例年通りの開催は中止せざるを得ない状況となってしまいました。 　そして9月以降もコロナ感染拡大については、依然として先行き不透明な状況が続いております。特に大学生は、オンライン授業を継続しながらも、ようやく一部の授業を対面で実施し始めておりますが、大学によってはまだキャンパスへの立入制限がなされていたり、課外活動についても再開できていないところが多くあります。合奏ができない、新入生を勧誘できない、演奏の場もないなどの状況はまだ続いているのです。 　もちろんコロナ感染拡大を防ぐためには我慢をしなければいけないかもしれませんが、この状況はいつ元に戻るのでしょうか？　このまま待っていれば彼らの活動は元の通りに再開できるようになるのでしょうか？　それを待ってはいられません。卒業年度である4年生などのメンバーは来年バンドにはいません。今年のメンバーで活動できるのは今年度内だけなのです。そんな今年度のメンバーに「記念となるようなこと」「人生の中でプラスに捉えること」を残してあげたいという想いから、我々主催者は学生バンドの声を聞きながら、今年度のYBBJCをどうすべきか？　今でもできる方法がないかを考え続けてまいりました。 　その結果、今大会につきましては、集まって練習できないバンドも、メンバー同士が対面せずに行う「リモート演奏」を含めた収録演奏を披露するオンライン・コンサートとして開催することが決定いたしました。生演奏では、本番直前に感染拡大が広がってしまった場合、参加できなくなってしまう恐れがありますが、収録演奏であれば実施できる可能性が高くなります。また、リモート演奏の場合は収録から編集の作業に苦労が伴いますが、学校側の練習許可が得られているバンドについては、集まって演奏した様子を撮影したものでも参加できるようにしております。いずれにしても、各バンドが出来る形で参加していただけるような方法として、今回のオンライン開催を企画いたしました。 　なお、各バンドの活動状況に差があることを踏まえ、演奏力などを競う従来の「コンテスト形式」ではなく、発表の場としての「コンサート形式」での開催となります。例年のような「賞が与えられる」「評価を受ける」といったコンテストならではの緊張感を求めて本大会に参加しているバンドも多くありますが、今大会はそういった緊張感より、苦しい状況を耐え抜いたところからの楽しさを共有できる場として、同じ志を持って頑張っている「仲間」とともに、互いに交流をすることで励みとなり、この大会を楽しんでいただければと考えております。 　学生の皆さんが、通常の生活に戻るために、気持ちを奮い起こすことは簡単ではないかもしれません。しかし、このような状況下でも今年度のバンドメンバーで「記念となるようなこと」「人生の軌跡となるようなコンサート」をご提供し、弊社の企業理念である「音楽普及による社会への貢献」のためにも、このコロナ禍での第51回YAMANO BIG BAND JAZZ CONTESTを開催いたします。