レコ発ライブ会場紹介、というか思い出「横濱エアジン」
2023-04-04
*レコ発ライブチケットのオファーは既に完売、なのでこの全ての企画実現のために、どうか他のオファーでご協力下さい! 橋本学のプロミュージシャン・デビューは、1999年横濱ジャズプロムナード・コンペティションにアマチュアとして出場する時に送ったバンドのでもテープを聴いた審査員からのライブのお誘いでした。審査員は当時すでにベテランだった辛島文雄(p)さんと板橋文夫(p)さん。はっきり言って辛島さんはテレビで見た事がある位で、板橋さんはほとんど知識がなく、フリージャズ系の人というイメージ。 辛島さんはジャズの王道的な演奏で、ドラマーにもそれを求め、「俺が若いドラマーを鍛えて一流ジャズドラマーにする!」を常に実践。なので1セット終わるとドラマーにお説教(笑)。これは誰相手でもそうだったようです。「お前はもっとジャズに燻されないといけない。」「そのシンバルお前のか、お前はそれがいい音だと思ってるのか?」自分はジャズ以外の音楽も好きだったので、ジャズっぽく無かっただろうし、シンバルの音が好きかどうかあまり気にしていませんでしたし。なので、様々な事を考える機会になったし、自分を振り返る様々な機会をいただきました。お陰様で色々なジャズの仕事にありつけた、とも言えます。ドラムに厳しい辛島さんと演奏しているドラマー、としても注目されましたし。 辛島さんが「俺はスティーブ・ガッドのドラムが大嫌いなんだ」と言っていて、僕はスティーブ・ガッドがそれでも大好きなので「この人とは今後一緒にはやらなくなるかもな」と思ったのも事実です。 それでも橋本学を世に出して下さった事への感謝はつきません。 板橋さんはジャズスタンダードは全くなく、オリジナル曲を大人数で延々と奔放に演奏する人。しかし、隣にいるのはベース井野信義さん、前にいるのはサックス片山広明さん、何より板橋さんのピアノ、周りの凄まじい音圧と熱量で、1曲目で力尽きていました。 辛島さんと違って全くお説教はなかったですが、「打楽器は恍惚の世界なんだよ〜」としみじみ言われたのが忘れられません。というか板橋さん自身が恍惚のピアノを弾いている。 板橋さんのセッションで、死ぬほど聴いた渡辺香津美レゾナンスヴォックスに参加のパーカッション・ヤヒロトモヒロさんと共演したのも忘れられません。 板橋さんとのセッションでは毎回「自分だめだなー」「もっとタフになる、死ぬ気で遊ぶ!」と思いました。 長野移住後、3年前に松本で板橋文夫さんと久々に共演しました。自分が最後まで力尽きなかったので良しとしました(笑)。ギリギリでしたが。 これ、3年前の松本を除いて全て横濱エアジンでの経験です。自分はまだ20代の頃。 もちろんそれ以外のバンドでも多数出演しています。 ずっと見守って下さったのはマスターのうめもと寶さん。うめもとさん自身が昔クラシックのトランペットでヨーロッパへ留学していて、エアジンは元々ジャズクラブだったのが、うめもとさんがマスターになってからはジャズ+クラシック+アバンギャルド+オリジナルな非常に面白い音楽性です。 「学、ドラムソロのライブうちでやりなよ!」と言われ、ビビって「橋本学=山北弘一ドラム・デュオ」にして、何度もエアジンでライブをやり、うめもとさんにも大変好評でした。自分にもとても良い経験でした。 今回橋本学+福井真菜で企画を持ち込もうとライブ会場を決めるに当たり、これは是非エアジンに持って行きたい!と思った次第です。 ちなみに、長野移住してから古楽の世界を知って、数年前に東京に古楽コンサートを聴きに行った時にもうめもとさんにお会いし、その翌年くらいに北杜市での橋本学企画「音ギバナシ」にうめもとさんが聴きに来て下さり腰が抜けそうになった事もありました。 横濱エアジンとは、橋本学にとってそういう特別な会場です。