指名したエンジニア松下真也さんについて(まあこれを聴いてみて下さい)
2023-04-19
もう日にちがないので、1日2記事になりますがアップしちゃおう。 今作のCD(LP)、何が凄いって録音が素晴らしい出来になるのが既にわかっていること。 70数枚のレコーディングを経験してきて切に思うのは、レコーディング音質が自分で満足いくかいかないかは ①エンジニアの腕(こだわり) ②レコーディング会場の響き この二つの条件がそろえば満足がいくという事です。 数々のレコーディング経験から、東京の松下真也さんに録っていただいた自分の音がとんでもなく好きです。 別に過剰に華美になるわけではないですが、生々しさを活かしつつ煌びやかになります。 例えば 2010年 Maiko(vln)「Voyager」 https://youtu.be/WpLNruUJAL4 2017年 橋爪亮督(ts)group「Incomplete voices」 https://youtu.be/n4N_Sa0tyeM 2019年 溝口恵美子(vo)group「Vespertide」 https://youtu.be/jDUZvgkOSg4 これらは全て録音エンジニアが松下さん。 Maikoさんのは、以前松下さんが所属していたStudio Dedeでの録音です(現在は独立)。録音した日に、まだミックス・マスタリング前の「ラフミックス」という状態で聴かせてもらいます。通常は録りたての荒っぽい状態で、その後いろいろ整えてCDプレスしますが、この「Voyager」のラフミックスは驚愕のサウンドでした。もうこのままリリースしましょうみたいな。こんな経験は後にも先にもありません。この経験から松下さんは僕の中で伝説になり神格化されました。 橋爪さんのCDは都内某スタジオ。僕はちょっと苦手な、シンバルの音が吸われる、響きのないスタジオです。しかし松下さんの手にかかれば素晴らしい、橋爪グループらしい空間あふれるサウンドになりました。 溝口groupは大阪録音。エンジニアを東京から呼ぼうとなり、僕が松下さんの名前を出すとベース萬君が賛同してくれて、松下さんに大阪まで来ていただきました。 このバンドはライブ時にダイナミクスの幅がとてつもなく大きいので、CDでその魅力を表現するのが難しいかと思いましたが、そこはさすが松下さん。ライブに引けを取らないダイナミクスの幅をドラマをCDに残す事ができました。 個人的に、松下さんの録り音の何が好きかって、シンバルの微細な音量差を忠実に録って下さる事、ピアニッシモが美しくはっきり聴こえるように録って下さる事です。録った後に音源を聴きながらそういう希望があればエンジニアさんに伝えられますが、何も言わないで済むのは松下さんだけです。 エンジニアさんを指名できる場合、まずファーストコールは松下真也さんです。僕の指名で大阪や長野に来ていただてますが(笑)。 本日の録音も、ラフミックス以前に録り音が素晴らしく(自分は超満足)、もうリモート音決めすら必要ない感じでした。 ちなみに松下さんはDede時代にこれも録っています。ウォルフガング・ムースピールにブライアン・ブレイド!!しかもドイツのECM!!!はい、橋本はECMレーベルマニアです。 https://youtu.be/Uaqk3n6juPM 松下さんクレジットされてますね。 このCDはECMではないですが、ECMでかなりのレコーディングを残し、チック・コリアとの共演やウェザー・リポートの創設メンバーとして知られるベーシスト・ミロスラフ・ヴィトゥス参加の望月慎一郎君のCDです。これもエンジニアは松下さんです(もっちーは以前長野県在住、中島仁(b)さんのトリオで橋本は共演していました。もっちーや橋本が松下さんに世話になっている事もあり、中島トリオ次作はエンジニア松下さんで話が進んでいます) https://youtu.be/Qmk8TDw6nvs