桑田 亜季 トランペット
2024-11-09
今回の、オンラインレコーディングに参加して下さるミュージシャンのご紹介です。 トランペットの桑田亜季さんです。 出会ったのは、2021年で、今回のレコーディングに参加して下さる、サックスの藤瀬さんの紹介で知り合いました。 その後、意気投合しまして、私の前回のクラウドファンディングで行ったレコーディングにも参加して頂きました。 今は、お子さんを育てながら、ミュージシャンをしていますが、生活の変化や、新たな目標もあるそうです。 今回は、演奏の他に、作曲やDTMにてトラックも作って頂きます。 そんな、桑田亜季さんに、記事を書いて頂きました。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- ■現在の生活 現在旅仕事の多い夫と共に、実家を頼らず、夫と話し合って保育園にも行かせずに、娘を育てています。 娘は完全母乳育児で育てていまして、母乳がないと寝ません。お昼寝もです。 それも卒乳までの短い間の話ですが、今は正念場です! 離乳食も市販のものは嫌いで、私が基本的に全て作ってます。 完母へのこだわり、自家製の離乳食へのこだわりも、特になかったのですが、娘ファーストで動いていたら自然とそういう流れになってしまいました(笑) 夫と話し合って娘の願望は出来るだけ叶えたいと思って育てています。 子どもはすぐに育ってしまいますし、この1年4ヶ月もあっという間に娘は成長してしまいました。 子どもをお世話出来る時って無限に時間がありそうで、実はとっても限られてるし。 そしていつ何が起こるかわからないと自分の人生観が私にはあります。 基本的に娘との日常は、私は個人的にとっても楽しんでいます。 しかしその反面、妊娠前までは音楽中心に生活していたのに、産んだらいきなり子どものお世話ばっかりになってしまったので、今までの生活リズムが崩れて、定期的に会えていた人たちにも会えなくなり、1人の時間もなくなり、気持ちが不安定になった時期もありました。 今でも疲れや不眠がピークになると時々不安になる事があるのは否めないです。 色々な人とお話しした時に、改めて自分を見つめ直して思いますが、生活が一変したら、戸惑うのは当たり前だと思います。 大いなる幸せには、大きなパワーが渦巻いていて、それに適応するのにはそれなりのエネルギーが必要なんだなと思います。 現に、子どもを産んでみて私は自己肯定感が格段と上がりました。 楽しいとか疲れたとかそういう単純な言葉じゃ片付けられないのが、育児だと思います。 ■初めての1日離れ 最近、産後初めてビッグバンドのライブに参加し、子供と1日離れる日を迎えました。 子どもを産んでから1年4ヶ月になりますが、都内のホテルギグ、J flowのセッションホスト、レッスンなどで家を空けることが、月に1・2回ぐらいのペースでありますが、今回のように朝から晩まで空けることは初めてでした。 当日リハーサルからのライブで初見での演奏だったのですが、周りから「音が良い」と言われ、自分でも「産休前より良い音が出せているかも」と感じました。 これはとても不思議だなと思いました。 出産前は、毎日3〜5時間ぐらい吹くのが当たり前で、定期的にプレイヤーとアンサンブルをしながら、コンディションを整えるのが日常でした。 しかし今回は夫の仕事の関係もあり、1週間前から毎日1〜2時間ほど個人で基礎を中心に練習する余裕しかありませんでした。 (これでも事前に夫に予告して時間を確保するのに協力してもらった状態でした。) トランペットを吹くにあたり、産休前と比べて、心を休めることも、どれだけ大切かを実感しました。 音を出す恐怖心が以前にはありましたが、今回は純粋にアンサンブルすることを楽しめました。 私は、娘と夫は恩人だと思っています。 仕事で悩み、コロナで悩み、悩みが尽きなかった時期に妊娠が発覚し、夫にゆっくり休んでいいよと妊娠中に言ってもらい、心を回復できました。 音楽を楽しむ為の心の休憩時間を恵んでくれたのは2人だと思っています。 ■新しい目標「トラックメイカーになりたい」 久しぶりに1日プレイヤーに戻りましたが、同時に以前のような生活リズムと仕事メンタルに戻るのは難しいと感じました。 生活リズムに関しては、以前のように旅仕事を引き受けることが出来ません。 コロナ禍の前は、1週間に3回大阪に行く時もありました。 そして、仕事メンタルに戻ってしまうと、神経質になってしまうので娘や夫に当たってしまい、それが家族のトラウマになってしまわないかと思いました。 仕事中と育児を両立出来るママさんパパさんは沢山居ると思いますが、私は性格上できないと感じてしまいました。 それとは別に、ずっとクリエイターに憧れをもっていました。 話は2016年に遡ります。 2016年の年末に3年間続けたバンドを辞めました。 理由はトランペッターとしてもミュージシャンとしても自分のカラーがない事がコンプレックスに感じてしまい、ひとりになった時に何も出来ない自分が情け無くて、強く勉強したいなと思ったからです。 2017年に勢いでバークリー音楽大学の5 week programに参加しましたが、すぐ帰国してしまいました。 しかし、ご縁があり2018年から本格的にジャズ理論と作曲のレッスンを日本で受け始めました。 元々クラシックの大学出身なので、ジャズの世界を知る事が刺激的でした。 自分に出来るか出来ないかはともかく、こんな音楽の世界があるんだと知り、こんな考え方があるのかと知り、それが楽しくて仕方なかったです。 そのうち、段々と自分のカラーを強く持ったクリエイティブなミュージシャンを尊敬するようになっていきました。 そして、2023年の3月から産休に入り出産。 一旦ガッツリとトランペットと音楽から離れてみて、「トラックメイカーになりたい」ということをジワジワと本格的に思うようになりました。 自分の作品を残すという事に関して、それってとても素晴らしい事だし、自分の音楽性と正面から向き合ってる事になるなと段々と思うようになり始めました。 もちろん、トランペットを譜面通りに吹くという事も難しいし、音楽的なスキルを問われるのですごいことだとは思います。 私の20代の頃の元々の夢は、スタジオミュージシャンになることだったんですけどね(笑) しかし、私自身がこれからの音楽人生を歩んで生きていくには、音楽制作をしていく方が性格に合っているのではないのかなと感じて、とにかくチャレンジしてみたいと思いました。 また数年後には、生活スタイルやステータスが変わって音楽やトランペットへの考え方も変わってるかもしれませんが(笑) 出産して5ヶ月後に、産後の生活スタイルに焦りを感じて、作品づくりをしてみましたが、これがすごく大変でした。 子を育てながら1人のプロジェクトを行ってると、どうしても睡眠不足にはなるし、家事はやらないといけないし、時には作業を始めて3分で子どもに呼び出されるし、クオリティをある程度出さないといけないプレッシャーもあるし、誰かを頼りたくても頼れないし、心が折れそうになる事が何度もありました。 2分の作品を作るのに、5ヶ月も掛かってしまいました。 今回のクラウドファンディングでは、普段は一人で音楽制作をしているため、沢山のミュージシャンと一緒にDTMにて制作をできる事が嬉しいです。 自分にとっても大きな挑戦と成長のチャンスだと感じています。 ■SNSでの活動報告とクラウドファンディング 私は育児でなかなか集中する時間が取れず、SNSを使う時間もあまりとれないと悩んでいます。 しかしInstagramのストーリーで大晦日まで、毎日SNSで活動報告を行い、クラウドファンディングの情報も発信していく予定です。 ■育児と音楽活動の両立 夫がいない日に、娘のメンタルが不安定な日もあり、育児と音楽活動の両立の難しさを痛感していますが、クラウドファンディングのプロジェクトを通じて「トラックメイカーとしての実力を上げるためにも毎日頑張り通したい」と思っています。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 桑田 亜季 幼少期から音楽に触れ、 13歳からトランペットを始める。 後に音楽の道を目指し東京音楽大学に入学。 在学中はクラシックトランペットを専攻し室内楽、 吹奏楽、 オーケストラなどを学ぶ。 同大学卒業後、 パフォーマンスバンドなどで活躍しスペイン、 台湾、 メキシコでのツアーに参加。 主な活動はアーティストのレコーディングやライブサポートの他、 都内のビックバンドなどで演奏活動をしている。 それとは別に、 定期的に自身のオリジナル曲を演奏するリーダーバンドのライブ活動も行なっている。 2023年 出産のため育休に入る。 2019年 ・小林旭のサポートで全国を回り、 ミュージカル「ELF」の東京・大阪公演に参加。 2020年 ・ミュージカル 「ELF」 の東京公演に参加。 2021年 ・ TBS 「第 62 回輝く!日本レコード大賞」 で特別功労賞を受賞した作編曲家の服部克久の 「ザ・ベストテン のテーマ」 の演奏に参加。 2022年 ・香取慎吾「東京SNG」のアルバムレコーディング、 同名の京都公演に参加。