藤瀬友希 サックスプレイヤー
2024-11-12
湘南のサックスプレイヤーの藤瀬友希さんをご紹介します。 演奏は、もちろん、すごくキャラクターも素敵な藤瀬さん。 ニコニコと、なんでもなく、笑い話をしている中に、確かに!!と思う、名言をサラッと発言する藤瀬さんには、いつも刺激を頂いてます。 私も、藤瀬さんとは湘南で一緒に演奏したり、リハーサルをしたりと活動をさせて頂きましたが、どれも素敵なライフスタイルの中の音楽でした。 今回は、海、育児、音楽についての記事です。 -------------------------------------------------------------------------------- 湘南の海風が吹く藤沢で、音楽活動と子育てを両立するミュージシャンがいる。彼女にとって、音楽と家族、生まれ育ったこの場所は今の人生を支える三本柱だ。自然豊かな環境の中で、音楽と子育てに向き合う日々について話を聞いた。 音楽とクリエイターを応援する街・藤沢 「藤沢を選んだというより、生まれ育った場所なんです。でも、住む人たちの風通しの良さが心地よく、大人になってもこの街に住み続けています。」彼女はそう語る。藤沢の人々は音楽やイベントに寛容で、新しいことに挑戦する人々を応援する風土があるという。 また子育て世代にとっても、藤沢はのびのびと暮らせる街である。 「子供が小さい頃は外を歩くだけでよく声をかけてもらっていました。たくさんの人がこの街の子供達を見守ってくれています。子供達に様々な経験をさせてあげたい、幸せにしてあげたいという考え方のお店やクリエイター、イベンターが多く、私もそうでありたいと思っているので、とても居心地が良いです。」 海辺に住みながらの音楽活動 海辺の環境は、彼女の音楽に大きな影響を与えている。「サーファーの方達の話を聞いていると、与えられた波に乗るためのアドリブ力や、たくさんの波を見ることが上達に繋がる事とか、ジャズと似ているところがあり驚きました。その2つに共通点があるとは思ってなかったから。ちゃんと私の好きなものと繋がってるんだなって思いました。子供の頃から近くに海があるのは当たり前で、特段好きだと意識した事はなかったけど、身近に海があるところで育った私にとって、やっぱり海は私の人生の背景であり一部なのだなと思いました。育った街なので、根本的に私の人格に大きく影響を与えていると思う。」 辛い産後を支えてくれた音楽の仲間達 「双子だったので、他の演奏家ママみたいに臨月まで音楽活動を〜という事は出来なかった。妊娠がわかったタイミングで突然今までやってきた活動を全て停止しリセットしなければならなくなったので、とても辛かった。」と、妊娠から出産の時についてを振り返る。 「音楽活動ができなかったことと仕事が全部なくなったことが辛くて、トラウマになってしまい、良い節目だから,いっそ他の仕事や趣味を見つけて,音楽は辞めようと思った。でも産後3ヶ月で、お世話になっていたイベンターの方からニューオリンズブラスバンドのオファーがあったり、参加していたバンドのレコーディングがあったり、少しずつ演奏を再開をして仲間に会うと、他の趣味とは比べ物にならない高揚感があり、音楽は別格の存在であると思い知りました。 さらに、もうレッスンは辞めようと思いますと相談した時に、辞めないでほしいと生徒さん達が声をかけてくださったので、こんな私でもまだ必要としてくださる方もいるのならば、辞めずにしがみついて、少しでも誰かの役に立ちたいと思うようになりました。 音楽を続けることは辛いし苦しいけど、好きだからやめる事はできない。 歯磨きをやめたり、食べることをやめるように、音楽をする事は自分の生活の一部なのだと気づき、辞めることを諦めました。 ジャズミュージシャンの友達が本当に居心地が良くて大好きだし、私も彼らのようにジャズミュージシャンでありたい。そのための辛い諸々は受け入れる覚悟を決めました。」と語る。 現在の音楽活動と子育て 「辛かったあの時期は、一度全てを強制的にリセットして、これまでがむしゃらに進んできた活動や自分自身の未熟さを見つめ直す良い機会だったと思います。 ただ音楽だけをやってきてそれだけに価値があると思い込み、周りが見えていなかった。 こども達がいなければ、やらなかったこと、目を向けなかったこと、行かなかった場所がたくさんあります。自分の可能性を絞らずに、視野を広く、"適度に"人生を楽しもうと思えるようになりました。」 また湘南に住む音楽仲間や他のクリエイターたちにも影響を受けているという。 「湘南の朝は早い、サーフィンしたいから朝の仕事の前にサーフィン。同級生も学校に行く前にサーフィン。看護師のママ友も少しでも時間あるとサーフィンに行くといってました。なんという体力! 海に向かう人はみんな良い顔をしてる。 自分の好きなことに一生懸命の人たちはキラキラしていて、みんな爽やかな良い顔をしてる。 音楽活動をしながら、別の好きな仕事をしている方もいます。ペースを大切にしつつ趣味も音楽も音楽も貪欲に極めている先輩ミュージシャンや湘南の皆さんを見て、私も周りに影響されず、自分のペースで好きなことに没頭しようと思いました。一度きりの人生を肩の力を抜いて、視野を広く持って楽しみたいです。 湘南のミュージシャン達は子育てを楽しんでいて 、セッションに子供を連れてきている。大人達もみんな子供に対してウェルカムで、子供達も大人が遊んでいる事を理解して一緒に楽しんでいる。 その様子を見て、私もせっかくだから楽しまなくちゃと思いました。 音楽も子育ても、どちらも私には欠かせないものです。音楽に集中しすぎても、子育てだけに没頭しても辛くなるので、良いバランスを保ちながら続けていきたい。子育てをしながら新しいことに挑戦する方達がたくさんいるこの街からワクワクや刺激をもらいながら。」 今回の企画について 「第二の人生の音楽との付き合い方をずっと考えてきました。湘南に住む多彩なミュージシャン達、これまでの人生で出会ってきた大好きなミュージシャン友達から勇気と元気をもらいながら、一度きりの人生、視野を広く持って後悔のないように楽しみ、苦しみたいと思っています。 練習も大切だけど、きっと私の経験は全部音楽にも影響するから。ミュージシャン以外の友達との遊びや家族との時間、他の趣味も全力で楽しみたいです。 今回、茅野さんに素晴らしい企画に誘っていただきとても嬉しく思います。 茅野さんは、サーフィン、アメ車が大好きな、素晴らしいトランペット・ウクレレ奏者であり、先述した私の新しい人生観に影響を与えた先輩ミュージシャンの一人です。 長々と語りましたが、たくさんの大切な人達に育ててもらった湘南産のサックス、ぜひ楽しみにしていてください。」 -------------------------------------------------------------------------------- 藤瀬友希 1988年12月生まれ。 神奈川県藤沢市出身、在住。 中学のクラブ活動でサックスを始める。 2009年洗足音楽大学ジャズ科に入学。 在学中からプロ活動を行う。 サックスをボブ・ザング氏、多田誠司氏、ジャズ理論をユキ・アリマサ氏、編曲を谷口英治氏に師事。 卒業後は自身の夢であった、ジャズを初めて聴く子供達にジャズを楽しいものだと思っておうと、ビッグバンド『アルパカジャズオーケストラ』を結成。全国各地の小中高校への藝術鑑賞会、地方公共団体の藝術鑑賞会出向き、様々な編成でジャズコンサート、ジャズ講義を精力的に行う。(2018年にバンドは解散) 現在はニューオリンズブラスバンドやジャズコンボ、ビッグバンドなど、多岐に渡り活動する。 またジャズサックス5重奏『SAXCATS』のソプラノサックス担当であり、同バンドでサックス専門誌『Sax World』にアレンジ提供を行う。